備忘録に代えて

加茂花菖蒲園へは今まで二回ほど行った事がある
そのどちらも車を使った
大きな駐車場もあることだし
直通の路線バスをはじめとして
すぐ近くに留まる公共交通網は、一見無いように思う

しかし、加茂花菖蒲園のHPには
｢天竜浜名湖鉄道原田駅から約１．５km、徒歩１５分～２０分｣と案内されている
ここ半年ほど　よく歩くようになってからは、１．５kmの距離はさほど苦にならなくなった

静岡から掛川まで、ＪＲ東海道線で５０分ぐらいだろう
掛川駅で天竜浜名湖鉄道に乗り換える


天竜浜名湖鉄道　掛川駅　ホーム　パノラマ写真(1)　1000 posted by (C)備忘録　旅人


こじんまりした駅、東海道線の横に付け足しのようにある、１面２線の短く狭いホーム
日中の１０時から１４時までは一時間に一本の運行だから
接続には気を付けなければならない




天竜浜名湖鉄道　掛川駅　ホーム　パノラマ写真(3) HDR　800 posted by (C)備忘録　旅人


ホームには、これから乗る列車のほかに
団体用の臨時列車が止まっている
１両のみの小さい列車
ただ、乗客はそこそこの人数が乗っている


この線路が｢国鉄二俣線｣と呼ばれた頃の事は知らない
それどころか、天竜浜名湖鉄道に乗るのも初めてだし
今日乗るのは、先端の２０分ほどに過ぎない

地方都市のローカル線
掛川駅を出て二駅を過ぎた頃には、何処でも見かけるような農村風景となる




天竜浜名湖鉄道　原谷駅　ホーム　パノラマ写真　露出合成　800 posted by (C)備忘録　旅人


途中、原谷駅で上り列車と交換の為　２分の待ち合わせ
一両の列車の為には少し長いホーム、国鉄時代の名残
木造駅舎の原谷駅は国登録文化財だというが
２分の待ち合わせでは到底見ることは出来ない

そして、次の駅が加茂花菖蒲園への最寄となる｢原田駅」




天竜浜名湖鉄道　原田駅 パノラマ写真　露出合成　360°×180° posted by (C)備忘録　旅人



天竜浜名湖鉄道　原田駅　ホーム　パノラマ写真(2)露出合成 150°×95°　800 posted by (C)備忘録　旅人


１面１線、幅の狭いホームに小さな屋根と古びた造りつけのプラスティック椅子
目前は高台、背後には生活道路と、駅前の少々の住居
低い山々に囲まれた平地には田んぼが広がる
郊外ローカル駅の典型的な形だろうか、もちろん駅舎もなければ駅員もいない
その土地に住む人々の
生活の匂いだけが微かに漂っているような駅

駅では私の他に二人下車、やはり加茂花菖蒲園が目的のようだ
やはり加茂花菖蒲園への交通手段に鉄道を利用する人は少ないようだ




加茂荘への途中の田園風景　パノラマ写真170°　800 posted by (C)備忘録　旅人




加茂花菖蒲園までの１．５kmはのどかな田園風景の中を歩く
それは現代日本の田園風景 ― 視界の中に必ず現代的な｢夾雑物｣が混じる ―
時折見かける住宅も現代的なものになっているが
それ以上に、加茂荘に向かって左手に見える｢第二東名の立派な高架橋｣
田園風景につきづきしくない物

それでも、道の回りいっぱいに広がる稲の苗は間違いなく日本の風景そのものだ



小さな川にかかる橋の上に立つと、ようやく目的の加茂花菖蒲園が見える
しかし、ここからが意外と時間が掛かるようだ




そして加茂花菖蒲園
ここまでピッタリ２０分
田舎道を歩きながらの２０分は結構楽しい
だが、駐車場には多くの車、やはり｢車で来るほうが楽｣なのだ

心の中でつぶやく
「鉄道と“散歩”でここに来たほうが楽しいと思う｣