2010年05月19日

雨の奈良井宿

雨の奈良井宿

今回の旅行は随分と天候に恵まれた
しかしただ一日だけの例外
上高地を出て奈良井宿に寄った日のみは雨に降られてしまった

キレイ事を言うならば「雨の日はその土地のまた別の表情を見せる」と言うことになるのだろう
しかし、奈良井宿は随分前に一度訪ねたきりで、久々の訪問、出来れば清々と歩きたかった
今までの好天を棚に上げて「ツイテナイ」と、不平をブツブツ
しかし、ともかく車を預けて街並に繰り出す

平凡かもしれないが、私の見た「雨の奈良井宿」



連休後半の端境期の上、雨が降りしきる為か、観光客はほとんどいない
「歴史的街並」の中に地域の人の路上駐車が多数、これも生活の匂いだろう






この街並は古い民家が多く軒を連ねるが、しかし映画のセットのような街並ではない
どこかに「今の時代の匂い」がする
狭い道を挟んで家々が密集する、人々の関係が親密そうに見える




時代の流れがこの町に穏やかな変化を施しているのだろうか
其処に人が住んでいるという匂いがいたるところでする
「土産物屋さん? 地場産品販売所?」と思った店は、落ち着いて見れば地元のマーケットだった




ナショナルの古い看板が掛かっている、しかし電気製品は売っていそうに無い




丸型の郵便ポストはこのような古い町並みの中では定番だ
赤い色の大きな目立つ物は本来異質なものなのだが
見る者が「レトロなもの」という風に容認しているのだろう
確かに風景に溶け込んでいる
色あせた「郵便」と「たばこ」の看板






むしろ旅行者はこのような設え、景観を期待している
実際「ほっとした」感じがする
しかし、どこかに「旅行者の先入観」を街に押し付けているようにも思える






だが、このような看板は「宿場」としての街の歴史の必然だ
昔はこの看板を目当てに、雨の中を宿屋に駆け込んだのだろう



(パノラマ写真 写真をクリックしてください 表示された画像をもう一度クリックすると拡大します)


(パノラマ写真 写真をクリックしてください 表示された画像をもう一度クリックすると拡大します)

時々軒先に雨を避ける、そしてゆっくりと街並を見渡す
街のほぼ中央で、道がクランク状に折れ曲がる
「枡形か」
しかし、枡形は通常宿場町の両端に設置されている
この街ではここのことを「かぎの手」と呼んでいるようだ







この街並にも遅咲きの桜が華を添えている、勿論並木なんかではないが

主役ではないのだからこれでいい






「雨の日の宿場町は、晴れの日とは別の、しっとりとした情緒がある」と言ったとしても
この日の私にとっては単なる「悔し紛れ」に他ならない
しかしコントラストを抑えられた街の表情は
もともと派手ではない本来の色彩をしっかりと浮かび上がらせているように思う


奈良井宿の散策で、すっかり足元をぬらしてしまった
この後すぐに木曽福島の宿に駆け込む
この日一日中降り続いた雨は、夕方にはあがっていた
明日の天気は良さそうだ




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Posted by 旅人 at 01:08│Comments(2)長野県
この記事へのコメント
旅人さん♪

おはようございます。

素晴らしい街並みですね・・・妻籠宿に似ているような(まだ行ったことはないのですが・・・)。

江戸の時代と大正・昭和の時代がミックスされているような印象を受けました。

軒の部分の2枚の写真に、東海道五十三次の金谷宿だったかな・・・雨に降られて、旅人が掛けている姿が浮かんできました。

そんな様子が、この雨の街並みに感じます。
旅行者にとっては、疎い雨ですが・・・旅をする身と考えると古き版画を想像し、その主人公となってみるのも良いのではないですか?

しっぽりと濡れた町並みの画像からは、その良さがとても感じられて、ああ、良い感じだなあ・・・と思いました。

まるで、自分が写真の中に入っているかのようです。

ありがとうございました。また、旅をさせていただきました。
Posted by しもちゃんしもちゃん at 2010年05月19日 05:22
しもちゃんさん、おはようございます。
確かに妻籠に似ています。しかし妻籠が街並の修景をしっかりと行っているのに対して奈良井はどこかアバウトな感じがします。そのアバウトさに、完全には観光化に振っていない街並の性格を感じられるように思います。また、その点に生活の匂いも感じるようです。
このような街並をもっている町がうらやましいと、いつも感じていますが、落ち着いたら由比・蒲原、あるいは宇津ノ谷の街並を改めてみて見たいと思っています。
Posted by 旅人 at 2010年05月19日 08:23
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    コメント(2)