2017年10月15日

テレマン パリ四重奏曲

ゲオルグ.フィリップ.テレマン 
パリ四重奏曲第3番 ト長調
パリ四重奏曲第4番 ロ短調
パリ四重奏曲第5番 イ長調
パリ四重奏曲第6番 ホ短調

アンコール 
G.Ph.テレマン
パリ四重奏曲第1番 ニ長調 第6楽章

青島由佳(フラウト・トラヴェルソ)
櫻井茂(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
小玉安奈(バロック・ヴァイオリン)
戸﨑廣乃(チェンバロ)

(2017年10月14日 静岡音楽館AOI


-・-・-・-・-・-・-

「テレマン パリ四重奏曲」
この演奏会告知を見たとき 
私はまず自分のCD棚の中にこの曲を探した 
確かにそこには開封された
(しかしほとんど聴いていない)この曲のCDがあった
この曲の印象はほとんどなかった 

あらためてCDをかけてみたのだが 
「ターヘルムジークのテレマン」の面影を認めながらも 
「耳に心地よい音楽」以上の印象はなかった 

しかし、このような曲こそ
演奏者と同じ空気の中で聴かなければならないことを痛感した


CDではよそよそしかったかもしれない 
あまり身を入れて聴いていなかったかもしれない
しかし心地よい曲ではあった 
そのような音楽であるからこそ 
演奏者と同じ空気の中いることで 
音楽と親密に同化するような気がした 

実のところ、この曲集は「感動的な音楽」とは別種のものだ 
バッハのようなどこか突き刺してくるような印象深さはない 
「耳に心地よく」はあっても忘れられないような旋律があったわけではない 

しかし、そのことを嘆く必要はない 
旋律としての音楽は忘れてしまっても 
この時この場でこの音楽を聴いたときに感じられる「親密さ」感にあふれる音楽だった
それはしばらく会わなかった親しい友との親密な語らいのようなもの 
それも 
学生時代の武勇伝に笑いあうような同性の友ではなく 
少しときめきを感じながら語り合う女友達とのもののように思う 
ときめきを感じながらも「欲望」とはほぼ無縁の清談のようなさわやかさだろう 

牧歌的であり、時にメランコリックであっても悲劇的にはならず 
常に快活さを持っているテレマンの音楽は 
「共有する空気」の中で聴けば 
聴く人に心地よい幸福感を与えてくれるように思う 

そして、何処かで別のテレマンの曲の演奏会があったとしても 
以前感じたような「親密感」を
その演奏会で感じることが出来るであろうと信じることが出来る 
テレマンの作品群はそのような曲のように思えてくる 


-・-・-・-・-・-・-

このブログは9月で10年目に入ったようだ 
しかし、絶えず書きつづけたブログであれば10年に「価値」があるのだろうが 
現実にはこのブログは(特に最近は)休み休みの更新になっている 
だからこの「10周年」はあまり自慢の出来ることではない 
実際、いろいろな事情から今後もしばらくは一ヶ月か二カ月ごとの更新になるかもしれない 
しかし、ブログを書くことを「ギブアップ」したわけではない 
今後も折に触れて 
出来るだけ書き繋いでいくつもりだ 

      

タグ :音楽



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Posted by 旅人 at 01:11│Comments(4)音楽
この記事へのコメント
旅人さま
フラウトトラベルソのやさしい音色は、わたしのこころに合っているようです。青島さんの素朴な木管のトラベルソが聴きたくて、わたしはレクチュアに参加させていただきました。
テレマン、ターフェルムジーク2番 懐かしいです。
古楽器は、やさしいです。
いつの日か、心地よく吹けるようになりたいと、憧れにちかい想いをもって、笛を吹いています。でもすごく難しいです。
旅人さんのブログ、とても楽しみにしていますから、時々でもいいので、また書いてください。
10周年、おめでとうございました。
Posted by ミミより at 2017年10月16日 17:45
旅人さん、こんばんは。
久しくご無沙汰をしております。

テレマンの作品にはまったく疎く「バリ四重奏曲」も初めて目にする有様です。
昔々のLP時代に友人からテレマンの「ターフェルムジーク」のLPを戴き当時、聴いたものでした。
印象に残るものがなく・・・レコード・ラックの方で云十年、眠り続けています。

記事を拝読させていただき
>演奏者と同じ空気の中で聴かなければならないことを痛感した
>演奏者と同じ空気の中いることで 
音楽と親密に同化するような気がした 

とお綴りになられていらっしゃる文章に目を引かれました。
自分自身が音楽を聴く時に、感動、魂を震撼させるような感動、そのようなものを音楽に求めている日々のような気がします。
時々、そのように音楽に対峙することに自分自身で疲れてしまうこともあるのですが・・・。
テレマンの音楽に対する旅人さんの印象を拝読させていただき、こちらの記事を想い出しつつテレマンを聴いてみたくなりました。

9月にてブログ開設から10年目をお迎えになられたそうですね。
貴ブログ 10歳のお誕生日 おめでとうございます。
「ギブアップをした訳ではない」とお綴りになられていらっしゃる一文を拝読し、定期的ではなくともこれからもご更新をお待ちしております。

当地は今日は12月の気温のようで正に「冬」を感じる一日でした。
どうぞご自愛をなさってお過ごしくださいますように。
Posted by lumino at 2017年10月16日 20:37
ミミさん、コメントいただき有難うございます。
テレマンのターフェルムジークは、第一集と第二集をよく聴きます。どちらも牧歌的なのどかさと親しみやすさに満ちた曲集です。少々くすんだ音色の第三集は少し割を食っているようにも思えますが、これも決して悪い曲ではありません。
古楽器のひなびたような、鋭すぎない聴いていて心和ませられるようです‎。そしてテレマンの場合もう一つ大切に思えるのは演奏者が自己主張を抑えて曲自身を歌わせる方がよりよいように思えます。
10周年の祝辞、ありがとうございます。しかしながらあまり更新していないブログの為、10周年はせいぜい一つの区切りぐらいに考えております。
Posted by 旅人旅人 at 2017年10月19日 00:45
luminoさん、コメントいただき有難うございます。お名前を見まして懐かしさとうれしさを感じております。お元気だったでしょうか。
テレマンのターフェルムジークをLPでお持ちのようですが、もしそれがヴェンツィンガーのものでしたらぜひ聴きこんでください。‎今でもターフェルムジークの理想的な演奏のように思えます。
最近は演奏会に行く機会そのものが減ってしまっているためか、演奏会の空気そのものに感じてしまうこともあるようです。

演奏会ではその場の雰囲気故に感じる「感動」もありますが、録音で音楽を聴くときは、私自身は(感受性の乏しさゆえか)その場での感動を期待するよりも、(なんとなく「これは」と思った曲については)反復するうちに何かを感じ取るという形になれているようです。また、時折「一発で」感じ入ってしまうような曲や演奏は、おおむね「たまたまラジオで聴いた」といった「不意打ち」によるものが多いようです。 (どうも聴き方がずぼらなようです。)最近は新しく曲を開拓するよりは、あまり聴かなかったCDを久し振りに取り出してみるといった事の方が多くなっています。
10周年の祝辞、ありがとうございます。しかし、今の10周年よりも、次の10年後にこのブログが残っているかの方が大切になってきたようです。
静岡でも、突然の冷え込みとなり驚いています。私自身は若いころ「日本でも特に寒いところ」に数年間住んでいたことがあります。しかし、体はその頃のことを忘れてしまいました。今は「静岡基準」で寒さの対策を考えています。luminoさんもどうかお体をご自愛なさってくださいますように。
Posted by 旅人旅人 at 2017年10月19日 00:46
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