2010年05月21日

大妻籠

大妻籠

間違えないでほしい
前の記事が「妻籠」で、この記事は「大妻籠(おおつまご)」
観光的には妻籠の一部として扱われているようだが
二つの集落は離れている
充実した妻籠を見た後で、この先何を見るのかと思うのだが
私には一服の清涼剤のように思える



妻籠の街並をほぼ端まで行くと第三駐車場があるが
その端に小さな石標が建っている
この石標は新しいものだと思うが、ともかく「右 旧道 まごめ」にしたがって歩き始める







一部車道と重なる事もあるが、とにかく歩き続ける
時には山道となる
「木曽路はすべて山の中である」と言う旧中山道を、少しは感じることが出来る




そして針葉樹の林を抜け、空が明るくなると小さな集落に入る






おそらく、ここから大妻籠の集落が始まるのだろう
しかし、ここで見ることの出来る家々は、雰囲気のあるものではあるものの宿場町の雰囲気ではない








更に先を進む
軒先の藤の花が満開となっている家屋を見る
弘法大師信仰の由緒がある家のようだ




この家を越えると一旦車道に出るが、すぐ左に折れる
看板があるから迷う事は無い




右手に水車小屋を見ながら進むと、すぐに比較的大きな旅籠屋が三軒並んでいるのが見える

大妻籠の、おそらくここが中心なのだろう
三軒の旅籠屋のうちの二軒は今でも旅人を受け入れている
(この付近にはこの二軒を含め、数件の民宿があるようだ)







最初に私は、大妻籠のことを「清涼剤」だと書いた
それは、余りに充実した景観を造る「妻籠」を見ていると
幾らかでも開放感のある風景を見て見たいを思うようになるからだ
旧街道の山道でかつての旅を追体験するが
そこで通る針葉樹の林はあたかも新しく訪れる集落へ至るトンネルのようだ
このトンネルを抜けるということは、それまでの「妻籠の充実」から開放されるアプローチのように思える

こうしてたどり着いた大妻籠の集落に見たものは
緻密な妻籠とは違った伸びやかな景観の様に思う
訪れた者の目をもてなすような設えも無いことはないが
この場所におおよそ「商売っ気」なものは無い
のどかであると共に、山村の生活の匂いが確かに感じられる

大妻籠のことを詳しくは知らない
間宿(馬宿)だったらしい
三軒の旅籠屋は妻籠の建物と比べおおらかさが有るように思う
それは周囲が畑地であることの環境から来る印象かもしれない
いずれにせよ、ここでは私の心は寛ぐ
「何かを見てやろう」と言うような視線は、ここでは一休みする
小さな規模の集落だから散策の時間も少ないが
観光客の余り来ないこの場所でのひと時を楽しむ

昔の旅人は、妻籠を出て、おそらく大妻籠の集落で一息入れてから
馬籠峠の坂道に取り掛かったのだろう

その様なとりとめの無いことを考えながら
現代の「旅人」は、車を預けている妻籠まで戻り
最後の目的地「馬籠」へと向かう






にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 静岡(市)情報へ にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ

同じカテゴリー(長野県)の記事画像
高遠城址公園の桜
妻籠
寝覚の床
雨の奈良井宿
上高地(5) 河童橋から大正池まで
上高地(4) 河童橋の朝と夜
同じカテゴリー(長野県)の記事
 高遠城址公園の桜 (2024-05-01 01:46)
 妻籠 (2010-05-21 18:30)
 寝覚の床 (2010-05-20 21:18)
 雨の奈良井宿 (2010-05-19 01:08)
 上高地(5) 河童橋から大正池まで (2010-05-18 20:59)
 上高地(4) 河童橋の朝と夜 (2010-05-17 12:10)

Posted by 旅人 at 22:30│Comments(4)長野県
この記事へのコメント
旅人さん♪

こんばんは。すみません・・・こんな時間にコメントしてもよかttでしょうか・・・

大妻籠・・・じっくりと拝見させていただきました。
私の田舎のふた昔前の風景に共通するものがありました。
とても懐かしく感じましたが、私の田舎(県内ですが・・・)は、風景が良く似ているだけで宿場町ではありません。

いいですね、旧道の山道、商売っ気のない質素な感じ・・・素晴らしいと思います。

これからの旅がとても楽しみです。

ありがとうございました。
Posted by しもちゃんしもちゃん at 2010年05月21日 22:43
しもちゃんさん、こんばんわ。
「妻籠」と「大妻籠」、「大」がつくかつかないかの違い以上に規模も雰囲気も違う、「妻籠」に来た大勢の観光客のうちほんの一握りの人だけが「大妻籠」まで足を延ばすに過ぎない。そのことが物凄く勿体無いような気になる場所です。
しもちゃんさんには田舎に対しての「原風景」があるようです。私にははっきりとした意味での田舎の「原風景」はありません。でも、子供のころの「瀬名」を思い出せば、まだ舗装されていない道にはわだちと、道の真ん中には草が盛り上がっている、道の脇にはドブ川が流れている、と言うような環境でした。小学校入学時にはまだあった木造校舎の中で授業を受けていた、と言う記憶の中で、自身の田舎に対する「原風景」のかけらのような物を辛うじてもっています。
私の中に辛うじて残っている「原風景」を手がかりに、古い町並みのような「懐かしい」ものに共感を感じているようです。
今回の旅行記録は、次回の「馬籠」が最終回となります。有名地ですので余り変わった事は書かないと思いますが、次の旅行(どこへ行くか思案中です)への区切りとして書き留めて見たいと思います。
Posted by 旅人旅人 at 2010年05月22日 00:36
旅人さま、こんばんは。
今朝から少し頭痛がしていて風邪っぽいなあ~なんて
感じだったのですが、また素敵な風景を拝見させていただいて
綺麗な空気が体の中にたくさん入ったような気がしました。
頭痛も少し和らいできましたよ。
旅人さまのお写真と言葉には見た人の心も体も綺麗にしていく、
そんなお力が絶対にありますね。
何だか、旅人さま教の信者になっていますよ。
Posted by じゃすみんじゃすみん at 2010年05月22日 22:15
じゃすみんさん、こんばんわ。
頭痛は大丈夫でしょうか、どうかお体をご自愛ください。
大妻籠の風景と綺麗な空気(本当に綺麗な空気でした)をじゃすみんさんの許ににお届けすることが出来たとしたら、そのことを大変うれしく思います。
ただ、私のさえない風貌では、とても「教祖様」には成れそうにありません。あしからずご理解のほどを.....
Posted by 旅人旅人 at 2010年05月22日 23:57
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
大妻籠
    コメント(4)