2010年01月28日

広島平和記念資料館

広島平和記念資料館

原爆ドーム、平和公園慰霊碑、平和記念資料館は一直線上に並んでいる
原爆ドームは保存か撤去かで揺れていた時期があったそうだが
平和記念資料館の設計者丹下健三氏は最初から原爆ドームを被爆の象徴として捉え
上記三者を景観軸として平和公園の案を提示した




慰霊碑の中から原爆ドームが見えることは誰でも気づくと思う
しかし、平和大通から原爆ドーム方向を見たとき
資料館のピロティ(高床構造)が視界をさえぎらず、原爆ドームを見通すことが出来るという点に
資料館の建築としての解説を読むまでまったく気付かなかった
(もっともそれは建設当初のことだったかもしれない
 現在はブロンズ像と噴水によって、平和大通からは
 原爆ドームは遮られてしまう
 しかし、噴水の向こう側に行ってしまえば
 資料館のピロティの空間から原爆ドームを望む事ができる)

(平和記念資料館の建築としての解説はこちらのサイトをご参考下さい
 http://www.arch-hiroshima.net/arch-hiroshima/arch/delta_center/p-museum.html )

広島平和記念資料館
(写真をクリックしてください、表示された画像をもう一度クリックすると拡大します)

広島平和記念資料館は、戦後建築として初めて国重要文化財となった建築だそうだ
装飾の無い明快な意匠でル・コルビュジエの影響があるといわれる
無機質ともいえる装飾性の無さは全世界共通の普遍性の象徴であり
それは反核・非核の普遍性に通ずるそうだ








資料館の中はフラッシュを使わなければ撮影は許容されている
以下掲載の写真もその範囲で写した

資料館の展示・解説で特徴と思われるのは
戦前・戦中の広島を解説する中で
「広島」が「軍都」であった事に重点が置かれていた点だろう
これは「広島」を原爆投下地「ヒロシマ」とし、悲劇の地として美化することなく
歴史の流れの中に「広島」を位置付けようとしているように思う

しかし、広島への原爆投下の要因を、「軍都・広島」と結びつける事はしない
アメリカ政府内の公文書のコピーを展示、解説した部分では戦慄を覚えた










これらの文章からは、膨大な予算を使って原爆を開発した事を
アメリカ国民に正当化して説明する為に原爆を投下したことを示している
しかも、原爆の破壊力が強大である事を知っている科学者からの
「無警告使用反対」の意見を無視して「無警告使用」に踏み切っている

広島・長崎への原爆投下はアメリカ政府内の都合ということになる

広島・長崎への原爆投下は「虐殺」と言い切ってしまってもよいのではないのか


広島の悲劇をここに書くことはこの記事の主眼ではない
その事は色々な所で語られているから目を背け無ければ知る事は容易だ
ただ、この「目を背ける事」に慣れているのではないだろうか

私は自分の立場を「反核」でありたいと思うが、必ずしも「反米」ではない
原爆投下を理由にアメリカに敵愾心を持とうにも余りに時が経ちすぎている
(但し、「反米」ではないがアメリカという国が正しい事をする国とは限らないという点
 また、「国益」を「正義」として行動する事があることは理解している)
また、原爆投下が「虐殺」だったとしても
原爆投下につながる中国での戦争を日本が始めてしまった事実や
その戦争によって過ちを犯した事実を受け入れなければならないと思う

原爆投下の悲惨さ、非道さを強く訴える為にも
日本の国は倫理的な高さを目指さなければならないように思う


-・-・-・-・-・-・-


「広島平和記念資料館」の事を書き始めて暫くして壁に突き当たったように思えた
「原爆の非人道性」や「平和の尊さ」については
感想というよりは前提として捕らえたほうがよいように思えた
しかし、それ以上先に進むことはできないように思えた
私が「反核」という意見を持っていても
それは「主義主張」ではなく「感情」なのだ、と思えた

自分自身の意見を突き詰めていないから「前提」より先のことは書けない、と思いながらも
とにかく書き終えた
私にとって「漸く」という言葉が口をついで出そうなくらい時間がかかったものの
書いた事は通り一辺のことでしかなかったように思う


最後は少々愚痴が出てしまったが
これで漸く4日間の旅行の記事を書き終えた
これから先はまた「日常」に戻る






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Posted by 旅人 at 01:15│Comments(0)広島県
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