2009年02月28日

「ラス・ウエルガスの写本」

「ラス・ウエルガスの写本」

ラス・ウエルガスの写本〔12~14世紀〕


ラス・ウエルガス・サンタ・マリア・ラ・レアル・シトー派修道院修道女合唱団
アトリウム・ムジケー古楽器合奏団、他
ホセ・ルイス・オチョア・デ・オルサ 総指揮


信じることが美しい事だった時代に作られた宗教曲集

何故か、突然聴きたくなって
レコードをターンテーブルにのせた

何故
癒しのため?
あまり安易に癒しという言葉は使いたくないが
少し疲れたかな

そんなことをうすらうすら考えながら、久しぶりに聴くレコード

随分以前に「聖母マリア頌歌集(カンティガ)」という
中世スペインの宗教曲集について書いたことがあった

ここで紹介している「ラス・ウエルガスの写本」も
中世スペインの宗教曲集だが
持っている雰囲気には若干の違いが感じられる

”信じることが美しい事だった時代”と
出だしに書いたが
実はカンティガを紹介したときにもこの言葉を使った
どちらも美しさと純粋さにあふれているが
カンティガが単旋律のみで素朴さに溢れているのに対し
ラス・ウエルガスの写本は、収録年代に幅があるためか
単旋律から少し凝った造りの重唱まであり
幾らか洗練されたものになっているように思う

つまり、カンティガが少し現世的な
「霊験あらたかなマリア様」を讃えているのに対して
「ラス・ウエルガスの写本」はもっとストレートに、純粋に
マリア様なり神様なりを讃えている内容のように思う

それだけに曲集全体に
ある種のピンと張り詰めたような厳しさが感じられる
その厳しさとは
俗なものを拒絶するような確固たる意思のように思える
たとえば収録曲の一つ
「カスタ・カトリカ(けがれなきカトリック教徒よ)」の
たった2声の重唱で造り上げられた
壮大な伽藍を思わせる曲は
時代を超えて感銘を与えられるように思う

たいがいの曲は、その厳しさを
純粋さと、時には暖かさで覆い隠している
女声による独唱・重唱・合唱が音楽に暖かさを添えているように思う

紹介した録音は、国内盤が廃盤であるのが惜しまれる
数年前には輸入盤の広告を見かけたように思うが
今でも手に入るだろうか
もし、LPでもCDでも
中古で見かけたならその場で手に入れたほうが良いと思う
それだけ美しい曲集なのだから

タグ :音楽



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Posted by 旅人 at 01:50│Comments(0)音楽
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