2011年06月05日

マーラー 「復活」 静岡フィル演奏会

グリーグ:「2つの悲しい旋律」 Op.34 -2より 「過ぎし春」
モーツアルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
マーラー:交響曲第2番ハ短調『復活』


ソプラノ:羽根 田敦子(静岡県オペラ協会) アルト:佐藤 典子(静岡県オペラ協会)
合唱団:静岡混声合唱団ひびき、静岡混声合唱団TERRA、静岡男性合唱団、静岡合唱団、
静大混声合唱団OB、清水合唱団、クール・グルヌイエットほか

静岡フィルハーモニー管弦楽団
指揮:黒岩 英臣

(2011年6月4日 静岡市民文化会館大ホール)



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静岡でマーラーの「復活」が演奏された事は有ったのだろうか
少なくとも私の記憶には無い
アマチュアの演奏ながら、静岡で「復活」を聴けるとは思わなかった

仕掛けは分かっていても
第三楽章の喧騒から第四楽章の静謐に移る感動的な場面
第五楽章最後の盛り上がりなど、心ときめく箇所は多い
落ち着いて聴けば、合唱の部分など
ベートーヴェンの第九よりも余程旋律的で「歌の世界」として筋書きがしっかりしているかもしれない
(第九の合唱部分は「器楽的」だといわれている
 だからといって全てベートーヴェンの第九より優れているというわけではない
 第九の少なくとも最初の三つの楽章は、たいていの音楽は敵しえない)

「復活」
まるで東北の人たちへのメッセージのように響くが
これは偶然そうなったことだ
安易に「がんばれ」という言葉をかけるべきではないが
ここでは、音楽の持つ(言霊のような)「メッセージ性」を信じたい
(演奏会では、冒頭に震災で犠牲・被災された方々のために、グリーグの曲が演奏された)


たとえアマチュアの演奏であっても
生の音の訴える力は素晴らしい
終結の「よみがえれ」の大合唱は、その場に居る全ての者の心を捉えるだろう

アマチュアにとっては、「復活」のような大曲は形にするだけで大変なのだろう
その意味で、精一杯がんばった演奏なのだと思う
プロは人に最上のものを聴かせるために精進する
アマチュアは、演奏することで曲の世界に近づこうとする
(もちろん、それぞれが、別の部分についても持ち合わせているが)

演奏では大詰めの第五楽章が一番良く
その次には第一楽章が良かった
その反面、弱音で旋律をタップリと聴かせる第二楽章は
響きの面で限界があったように思う
弦楽器のパート内での音が合っていないようで、美しく響かなかった
まだ伸びる事の出来る面が多いオーケストラだと思う

静岡ではまず聴く事のできない曲だから
実演で聴く事のできたことを率直に感謝したい

(追記) この記事を読まれたボントロさんより、90年前後に静岡市民文化会館で
小澤征爾/ボストン響による「復活」の演奏会が有った事を教えていただきました
ご教授いただきましたボントロさんに感謝いたします





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Posted by 旅人 at 22:04│Comments(0)音楽
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