備忘録に代えて

フェリーターミナルで軽自動車を一日借り、福江島を駆け足で一周する
料金は￥4,500－、他にガソリン代は自費

後で知ったのだが、五島市のレンタカーの中に軽電気自動車の貸し出しがあるそうだ
料金は軽自動車と同じ、但しガソリン代が無いための代わりに｢電気料｣￥500が別途掛かる
燃料費まで含めれば通常の軽自動車よりも安いのだが、問題は途中での電気の充電
通常フルチャージで走る事の出来る距離は９０km、今回私の走行距離は１２５kmだったので
途中で充電する必要があるのだが、島内にある充電設備は４箇所
私の行程を例にすれば、途中充電設備のある場所に寄ったので、ルートの点では問題なく
おそらく充電もすぐに出来る状況だった
フル充電で所用時間３０分だからスムーズに行けばさして問題ない
しかし、話によるとシーズンの最中にはこの充電のために渋滞が起きたという
（もっとも、このときはまだ充電設備が１箇所しかない時の事だったのだが
　電気自動車が増えれば同じような問題が起きるだろう）
インフラの整備がまだ十分で無い今の時点では、シーズンオフに借りるのがよいだろう

最初から話が横道にそれてしまったが
車は快調に先に進む



(パノラマ写真　写真をクリックしてください　拡大します)

１５分ぐらい走ったあたりの海岸線
五島の海は、どこでも水が澄んでいて美しい
そうしたきれいな海水を利用した養殖の生簀を多く見つけることが出来る
（ただ、８年前五島に来た時　聞いた話だが
　この養殖の際に撒かれる餌の残りが海底に沈殿して海を汚しているという問題もあるそうだ）
この海岸線の奥に最初の目的地、堂崎教会がある






五島で最初に司祭が常駐した所で、長い間五島のカトリック教会の拠点となっていたそうだ
設計はペルー神父、竣工は野原与吉、なおこの工事には若き日の鉄川与助が副棟梁格で参加していたという




堂内は天井の高さが低いものの、コウモリ天井による荘厳な空間が広がっている







アーチは内・外装共に先の尖った形状になっている(ポインテットアーチというらしい)
外観は無駄な装飾(遊び)の少ない様に思える、質実剛健な印象がある
ただ、前面に突き出た鐘塔が大きなアクセントとなっている




側面の窓は下が床まで伸び、此処からの出入りも出来る
このような構造の｢窓｣は此処と宝亀教会堂の二つだけだそうだ

赤銅のレンガ造りは周囲の景観から浮き上がることは無い





天主堂のすぐ脇まで海が迫っているので満潮時なら海面に天主堂の映える美しい光景が見られるが
このときは干潮で、その光景を見ることは出来なかった






8年前に訪れた時の写真が満潮時の風景を写しているので
その時の写真を探し出してみた
やはりこの風景のほうが情緒がある
（ポジフィルムによる写真、デジタルカメラを使うようになった今でも
　ポジフィルムの、真の意味での発色の良さには引きつけられるものがあるように思う）

盛時には、海を渡ってきた信者の人達によってこの天主堂も賑わったのだろう
海辺のレンガ造り教会は、そこを目指して来た者にとって
ようやく目にしたときの感慨は深いものだったのだろう

五島の各地をまわって感じたこと
どこまでも透き通り、青い、美しい海
晴れていれば、空も抜けるような青さ
時の流れの止まったような静かな佇まい

そのような土地柄の中で各々の教会堂はその土地に立つ
堂崎教会は、今は天主堂としての役割を終え、資料館として使われている
しかしその佇まいは、今も信仰で持って｢守られている｣教会堂の風格を漂わせているように思う


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