2008年07月24日

スカルラッティ ソナタ集

スカルラッティ ソナタ集ドメニコ・スカルラッティ ソナタ集

トレヴァー・ピノック(チェンバロ)

(アルフィーフ F35A 50086)

何も考えずに、気楽に聴くのに
うってつけのCDです

時に明るく、時にメランコリック
と書くと月並みなのですが
この曲集の中の音楽は
これらの表現が多彩です

例えばバッハの曲の中にも
時に明るく、時にメランコリックな曲はあると思いますが
バッハの曲には、どうしても曲の後ろに
「神」という言葉がちらついてしまうようです

スカルラッティの場合は
「神」の代わりに「人」が来るようです
明るいときには底抜けに明るく
メランコリックな表現は
直接涙腺に訴えかけます
哀愁のような、ほのかな陰のある表現も巧み
かといってフランスの曲のような
華麗さ、華やかさに彩られるわけでもなく
イタリア人らしく
その表現が率直です

彼はそのような表現のちりばめられたソナタを
555曲書いたそうです

実はその555曲全てを収めた全集(スコット・ロス)もあり
私もその曲調にあこがれてその全集を買い求めたのです
一応全曲通して聴いたはずなのですが
しかし、このような全集を力こぶ入れて聴こうとすると
たいがいどこかで疲れてしまい、心地よい眠りに誘われます
(どうも”猫に小判”だったようです)
そのくせ、何気なくその全集の中の任意の一枚を取り出して聴くと
どのCDでもしっかりと楽しませてくれるので厄介です

スカルラッティの曲を、意味を求めて聴くのは無駄なようです
単純に曲に身を任せ、音を楽しみ、曲調を楽しむのがよいようです

そうなると、何も全集でなくてもよいので
一枚物のピノックのCDをよく聴きます
まったく屈託がありません

このCD、以前車で旅行に出かけた際には
よく早朝の運転中に聴きました
朝の気分に合い、大変さわやかでした

なお、余談ですが
クラシックを聴かない人にこのCDの中の一曲を聴かせたら
「ディズニーランドのパレードの曲みたいだ」と言われたことがありました


タグ :静岡音楽



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Posted by 旅人 at 01:12│Comments(8)音楽
この記事へのコメント
こんにちわ。
クラッシクがお好きなんですね。
実は私も(^^)。でもカタカナ名詞が苦手な私・・・。
この曲好き!って思っても曲名・作曲者名etc.が
覚えられないんです(TT)。
今年の11月にフジ子ヘミングさんと何とか交響楽団が
静岡にやってくる。ご存知ですか?
これにど~しても行きたいと思っているのですが、
クラッシクはお値段が高くて・・・・。
それだけの価値があるのはわかっているのですが、
なかなかお財布が許可を出してくれません(TT)
Posted by 開運開運 at 2008年07月24日 11:02
開運さん、こんばんわ。
フジコ・へミングさんの演奏会、あわてて調べてみたら水曜日
現在の私の公休が火曜日ですのでザンネン。
上手く都合がつけばよいのですが。

実のところ、私自身”ながら族”で、例えば歌つきの曲でもものすごく気に入ってからようやく意味を調べに対訳を見るといった具合です。
ただ、熱中してしまい易いのか、いったん気に入ると半年ぐらいはその曲、その演奏ばかり聴いているという事もありました。
”この曲好き!”と思えることが一番、後はともかく楽しみましょう。
Posted by 旅人旅人 at 2008年07月24日 22:13
スカルラッティ・ソナタ集は残念ながら聴いたことがありません。
でも、旅人さんの素晴らしい紹介があったので、聴いてみようかと思います。
ところで、スカルラッティ・ソナタ集はホロビッツの名演奏がありませんでした?
ピノックの演奏のCDはたしか、「ブランデンブルク協奏曲」を持っていました。
それはそれで、楽しい演奏でした。
Posted by kittsankittsan at 2008年07月25日 02:22
kittsanさん、おはようございます。
そういえば、彼の初来日の演奏会で、確かプログラムの最初にスカルラッティを弾いていたように覚えていますが、ポロビッツは好んでスカルラッティを弾いていたようです。ただポロビッツの演奏、私は聴いていません。ピアノ演奏でスカルラッティの響きがどう変わるのか、興味があります。
Posted by 旅人旅人 at 2008年07月25日 08:02
はじめまして。
こちらのブログはどれも興味深くよく拝見してます。

スカルラッティ 好きです。
といってもそんなに持っている訳ではありませんが・・
ホロビッツのは アナログ盤で持っています。
独特のタッチがチェンバロ曲に合っている?
なんて自分だけの思い込みで聴いてます。

屈託のなさという点ではピノックだとは思います。
旅人さんのおっしゃる通り
曲に身を任せ 音を楽しめるのはとてもいいですね。

特に一人で仕事するときにはぴったりです。
ただ、あまりキラキラとする曲ばかり続けると疲れるので
バッハの無伴奏チェロや
モーツァルトのクラリネット四重奏など
あれこれはさむのが今のお気に入りです。

初めてなのに長くなってスミマセン。
Posted by レザンレザン at 2008年07月30日 09:33
レザンレザンさん、こんばんわ
ホロビッツの独特のタッチがチェンバロ曲に合っているのでは、とのこと。
まだホロビッツの演奏を聴いていないので、来週はCD屋さんに直行です。
それにしても、スカルラッティの曲、余りに楽天的かもしれません。
それがこの人の良さ。
そこで、安心して聴き入ってしまうのですが
レザンレザンさんの言われる通り
気分転換としてバッハ、モーツァルトもいいかもしれません。
あと、ふと思いついたのですがテレマン(「ターヘルムジーク」)などはどうでしょうか。この人もなかなかの「職人」です。
Posted by 旅人旅人 at 2008年07月30日 21:59
ご返事ありがとうございます。
おっしゃる通り「ターヘルムジーク」最適だと思います。
大好きで、エアチェックで全編持っていてよく聴いていたのですが
テープが疲れてしまい、以来購入するには長すぎてふんぎりがつかず
今に至っています。

テレマンはバッハより重くなく
聴きやすい気がします。
バッハほど「神」がちらつかないということでしょうか。

ホロビッツの来日公演のテレビ番組、観ました。
それまでホロビッツは聴いたことなかったのですが
最初のスカルラッティで
凄い、と思わされました。
一音一音、音が立っているというのでしょうか
強靭でありながら 透き通っている
その印象はいまだに耳に残っています。

その後のかなり衰えてからの来日があったとおもうのですが
あまりに差がありすぎたのが残酷にも覚え、
グールドの生演奏拒否の主張が
納得できる気がしました。
Posted by レザンレザン at 2008年07月31日 00:05
レザンレザンさん、こんばんわ。
ターヘルムジークは、学生の頃ヴェンツインガーの全曲盤を貸してくれた友人がいて、それをテープにダビングして聴き込みました。
「無技巧の技巧」といえばよいのでしょうか、率直に演奏しているだけなのが、かえって味わい深いと感じています。数年前に限定版でCD化されました。
テレマンも、スカルラッティと同じく「人」の作曲家かもしれません。第一、この「ターヘルムジーク」は「元祖バックグラウンドミュージック」といえるような曲ですから。

ホロビッツの来日は、私も覚えています。ただ、恥ずかしい話ですが、この頃はまだピアノ演奏に余り興味が無く、例の「ひび割れた骨董品」(この言葉自体、発言した吉田秀和氏の真意から離れた意味で一人歩きしてしまったようです)を鵜呑みにしていました。
私はまだまだ初心者です。「時々の初心、忘るべからず」
Posted by 旅人 at 2008年07月31日 00:55
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