2009年08月31日

室生寺

室生寺

奈良旅行の最終日、室生寺に行く
駅からバスで約15分
終点からしばらく門前町を歩くと
やがて左手に赤い欄干の橋が見える





太鼓橋と呼ばれるその橋を渡ると
「女人高野室生寺」と彫られた石柱が見える




入り口で拝観料を払い先に進むと仁王門
この門をくぐると山の斜面に建てられた伽藍に入る
ここに古代寺院七堂伽藍の規則性はない
鎧坂と呼ばれる最初の長い石段を登り切ると
まず金堂と弥勒堂に迎えれれる


室生寺
(パノラマ写真 写真をクリックしてください、拡大します)

どちらも杮葺の屋根で
金堂が寄棟造り、弥勒堂が入母屋造り
金堂の方が見た目に軽快な気がする




金堂の中には多くの仏像が一つの宇宙を作っているが
中でもさして大きくない十二神将像(12体のうち10体が並んでいた)が
見得を切った様なポーズで横一列に並んでいたのが面白い






灌頂堂への階段の途中、振り返って弥勒堂の杮葺の屋根を見ると
部分的に鉄板で屋根の補修がしてある
有名寺院でも文化財の補修は困難なようだ




次の石段を登り切ると灌頂堂が見える

山の中の寺院の静けさは格別
また山内の建物はどれも質素
五重塔を除けばあまり自己主張をしていない
皆山の緑の中に溶け込んでいる





灌頂堂横の石段の先には五重塔
恐らく室生寺で一番有名な建物
屋外の五重塔では一番背の低い塔として知られている
確かに小さいのだが
その事を感じさせない釣り合いの良さがある




五重塔は11年前の台風の折
倒れた木によって大破した
その倒れた木は塔からずいぶん離れたところに立っていたようだ
そしてその当時驚いたのは
塔は大破したが倒れることなく立っていたという点
この華奢とも思えた塔が思いの他堅牢だったことだった


室生寺
(パノラマ写真 写真をクリックしてください、拡大します)

塔の横には更に石段が400段ほど続き、奥の院に至る
この付近から石仏が多く見られるようになり
山岳寺院の雰囲気はいよいよ深まっていく

しかし、今回は五重塔までで終わることにした
長旅で足の具合が限界にきていたし
最後の拝観寺院としてはこれでもう十分だった
ずいぶん長く奈良に居たつもりだが
今回もまた多くの物を見残してしまったように思う
昔のようにあくせくと多くの物を急いで見に歩かなくなったのも
理由の一つかもしれない
その都度、また次の機会にと言いながら奈良を離れていく
古い建物、街並み、覆いかぶさる歴史
そのような空気を感じたいがために
また奈良に行くことが、これからも続く





近鉄室生口大野駅のホームを歩いているうちに
ホームの外に大和棟の立派な民家を見かけた
大和棟はもともと近郊農家の民家形式だったが
その屋根の美しさから町家の建物としても広がって行ったそうだ
この地域はほぼ三重県との境になるが
この大和棟を見たとき
「ここも大和の文化圏なんだな」と思った
また、その奥にある
大和棟を意識したような現代建築の民家も面白い

室生口大野駅からは近鉄線で名古屋に出て
静岡への帰路につく


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Posted by 旅人 at 01:51│Comments(0)奈良県
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