2009年01月30日
妙心寺
禅寺は本坊と塔頭寺院で構成されている
京都にはそのような構成の大規模な禅宗寺院が幾つもある
また、それぞれの寺にはおのおのの特徴がある
大徳寺の茶面
南禅寺の武家面
東福寺の伽藍面
建仁寺の学問面
相国寺の声明面
妙心寺は算盤面と言われている
「計算高い、商売気がある」という意味ではない
寺院を経営していくに当たっての経済基盤の確立、管理に秀でていた
という意味らしい
大徳寺の境内はうっそうと茂った木々の中に
塔頭寺院が建っているような印象がある
東福寺は、周りの地域との結界が曖昧
だから、いつの間にか東福寺境内に紛れ込んでしまったような印象を受ける
妙心寺も、また独特の表情を持っているように思う
ただ、その雰囲気の正体を未だに掴んでいない
妙心寺の境内を歩くと、大徳寺よりも明るい雰囲気があるように思う
しかし、塔頭と塔頭との間の道を行くと
塀と塀とに挟まれた空間に少し圧迫感を感じる
そして、小路の先は大概は先が折れ曲がっていて
見通しが利かない
寺院の持つ重々しい雰囲気、と言いたいところなのだが
その小路を、近くの学校の学生が通学で通り抜ける
自転車やスクーターが駆け抜ける
また、犬の散歩道となっている
この道は、生活道路でもある
世俗が渾然一体となった雰囲気を垣間見
宗教と建物が持つ重々しさを救っている
桂春院という塔頭に寄った
十年以上前に拝観したことがあったように思うが
そのときはあまり印象が無かった
でも、今回境内から桂春院に入ったときの
明暗のコントラストの印象は強かった
桂春院の庭は周囲から隔絶されている
寺の雰囲気は、少し寂れたような趣がある
幾つかある庭はあまり広くない
そして、うっそうとした木々
来る者を拒みはしないが、積極的に招こうともしない
華やかさの無い、密やかで内向的、思索的な
隠者の世界
妙心寺から与えられる印象も
その幅の厚みと奥行きの深いものだった
Posted by 旅人 at 11:30│Comments(0)
│京都府
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