2009年07月21日

大徳寺 龍源院


大徳寺 龍源院

禅寺を訪ねる楽しみの一つが
庭園の鑑賞です
大徳寺の塔頭はそれぞれが美しい庭園を持っています


大徳寺 龍源院
(パノラマ写真 写真をクリックしてください、拡大します)

静かな佇まいの塔頭寺院の庭は
実はその全てが古いものとは限りません

龍源院は、敷地内に五つ(玄関前も庭と見れば六つ)の庭を持っています
内、竜吟庭といわれる方丈北庭は室町時代からの物だそうですが
他の庭は近代の作のようです

方丈前庭“一枝坦”も
元々は“楊貴妃”という銘の山茶花の老木を主とした庭だったそうですが
その山茶花が枯れてしまったために現在の石庭に改作したそうです

庭の良否をどのような視点で見たらよいか分らないのですが
簡素であること、目を幻惑しないことが判断基準になるのなら
この庭も見飽きない良い庭のように思います



ただ、“簡素であること、目を幻惑しないこと”という点では
方丈東側にある“東滴壷”が
その意味での極限であるように思います

他の庭の緑が僅かに垣間見られる以外は
この庭は色彩によって飾られることはなく
見る者に、ただ思索するように求められているようです



その点、庫裏南側にある庭“滹沱底”は
まだ「救いがある」ように思います
少なくともここには緑があり、壁の土色があり
屋根の階調があります
ここではいくらか寛ぐことが出来ます

東滴壷の厳しさがあって滹沱底の寛ぎが生き
滹沱底やその他の庭の開放感があって初めて東滴壷の厳しさが生きるようです



方丈北庭の“竜吟庭”は相阿弥の作と伝えられる室町時代の庭園
方丈前庭“一枝坦”の白砂の庭園と“竜吟庭”の苔むした緑が
見事な対となっています

禅宗庭園創成期の息吹を感じさせるのでしょうか
ある程度の広さがあってもあまり要素を詰め込まない
作庭者の感性のみで無意識のうちに造り上げた
簡素をもって、静かに語りかけてくるような庭の思想は
龍源院の他の庭の原点となっているようです

他の庭が竜吟庭の作意から離れることなく作庭した結果
龍源院の諸庭は一つの燻銀のアンサンブルとなっているようです







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Posted by 旅人 at 20:00│Comments(0)京都府
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